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職業被ばくの定義

 

職業被ばくとは

職業被ばくとは、作業者が自らの仕事の結果として被る被ばくのことです。厳密には、操業管理者の責任であると合理的にみなすことのできる状況の結果として、作業時に受ける被ばくと定義されます(ICRP103 5.3.1)。 また、自然放射線による被ばくは一般に操業管理者が管理する範囲外にあり、特別な場合を除いて職業被ばくから除かれます(ICRP60 5.1.1)。
職業被ばくには、行為の正当化、防護の最適化、線量限度の3原則が適用されます。

これは職業被ばく?


  • 女性作業者の胎児の被ばく:職業被ばくではない
    妊娠している作業者の胚・胎児の被ばくは公衆被ばくと定義されています。(ICRP103 5.3.2)
  • 生物医学研究の志願者の被ばく:職業被ばくではない
    生物医学研究の志願者の被ばくは医療被ばくと定義されています。(ICRP103 7.7)
    職務として研究を行っている研究者が臨床研究において被ばくした場合は職業被ばくです。
  • 放射線診療における介助者の被ばく:職業被ばくではない
    家族等の介護者および介助者の被ばくは医療被ばくと定義されています。(ICRP103 7.7)
    医療従事者(看護師等)が介護・介助により被ばくした場合は職業被ばくとなります。
  • 一般労働者の自然放射線による被ばく:職業被ばくではない
    線源はカリウム40、地上での宇宙線、地殻中の放射性物質等であり、これらは操業管理者の責任に帰するものではないため職業被ばくにはなりません。(ICRP60 5.1.1)
    しかし、ウラン鉱山など多くの地下鉱山や洞穴など規制機関によって被ばくの可能性が言及される場所での自然放射線源による被ばくは職業被ばくの一部として含めるべきと勧告されています。
  • 宇宙飛行士の宇宙線による被ばく:職業被ばくである(ICRP60 5.1.1)
  • 航空機の運航乗務員の宇宙線による被ばく:職業被ばくである(ICRP75 5.1.3)
    飛行時間とルートの設定によって被ばく管理が可能とされています。
  • 航空機を仕事のために多頻度で利用する客の宇宙線による被ばく:職業被ばくではない
    運航乗務員に比べれば搭乗回数が少ないため職業被ばくとして扱う必要はないと考えられています。(ICRP75 5.1.3)

職業被ばくの特徴

職業被ばくは、医療被ばく、公衆被ばくと対比して次のような特徴があります。
  • 就労期間において長期にわたり継続的に被ばくを受けることがある。
  • 取り扱いの誤りや事故があると短期的に大量の被ばくを受けることがある。
  • 業務の内容・作業場所によって被ばくを管理することが可能である。
  • 場所の測定・個人線量測定により被ばく線量を測定することが可能である。
  • 遮蔽や作業手順によって被ばくを低減することが可能である。

まとめると、公衆に比べ被ばく線量は高くなりうるが、教育訓練を受けた作業者が適切な取り扱いを行い、事業者が業務内容・作業環境などを適切に管理することで被ばくを最小化できることが職業被ばくの特徴です。