大会長挨拶

 第115回日本医学物理学会学術大会を、平成30年4月12日(木)から15日(日)の4日間の日程で、パシフィコ横浜にて開催いたします。本学術大会はJRC2018として第77回日本医学放射線学会総会(JRS)、第74回日本放射線技術学会総会学術大会(JSRT)との合同学術大会として開催され、国際医用画像総合展(ITEM)を併催いたします。
 JRC2018のメインテーマは「Innovative sciences and humanism in Radiology」、「夢のような創造科学と人にやさしい放射線医学」としました。夢とは未来を指し、これからの明るい希望や新たな医療機器・技術の開発につながるキーワードです。また、優しさとは今を指し、患者さんにも医療者にも安全で満足できる安心医療の提供であると思います。放射線医学では、CTの多列化やMRの高磁場化などの様々な技術革新により多くの影響を受けてきましたが、人工知能やビッグデータの利用、クラウド、分子イメージングなどの発展が新たな「人に優しく夢のような」診断、治療方法の提供を期待させます。
 本大会では、合同シンポジウムを3テーマ企画しますが、JSMPでは夢のような想像科学として「放射線診療/放射線腫瘍学におけるRadiomicsの応用」のテーマを取り上げました。この分野でご活躍されているシカゴ大学のProf. Samuel Armato氏に基調講演をお願いし、国内の著名な先生方と共に国内外の放射線医学におけるRadiomics研究の現状と今後の展望をお話いただきます。また、人に優しい放射線医学として、放射線治療における水吸収線量計測を研究され、IAEA TRS-398にも関わっておられるイタリア国立電離放射線計測研究所のProf. Massimo Pinto氏に、線質変換係数の欧州の動向に関してご講演をお願いしました。さらに、AAPM TG-132のコアメンバーであり、放射線治療の臨床にも造詣が深いワシントン大学のProf. Sasa Mutic氏にImage registration and Image fusionアルゴリズムについて基調講演をお願いしました。また、Deep learning techniqueの最先端研究を行なっている韓国カトリック大学のDo-Kun Yoon氏に、放射線医学におけるDeep learning techniqueの応用についてご講演をお願いしました。
 医学物理学はX線の発見とその医学利用に貢献し、医療発展を支えてきました。さらにそれを進めるべく、JRC2018にたくさんの方々が集い活発な情報交換をすると共に、新しいシーズを見つけられる機会になるよう、実行委員会では皆様をお迎えする準備を進めております。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。


第115回日本医学物理学会学術大会
大会長 小口 宏(名古屋大学)